2026年10月12日、Meta の Superintelligence Labs は 14 か月ぶりの大型発表として、フロンティアモデル『Muse Wonder』と上位版の『Muse Wonder Full』を公開しました。軽量層の Muse Spark から一段引き上げた位置付けで、ベンチ上は GPT-6 Astra や Claude Opus 5.5 と肩を並べる水準をうたいます。
設計の核『Active Memory / Active Focus』
Wonder の核は Meta が『Active Memory』と『Active Focus』と呼ぶ 2 つの性質です。Active Memory は会話を跨いで重要な情報を持ち越して必要なタイミングで取り出す設計で、MemoryBench では Fable、Opus、Astra を上回りました。Active Focus は困難な目標に対し別アプローチを試し、曖昧点は質問して前に進む持続力で、FocusBench と超長距離の SWE-Marathon で効果を測っています。
モデルカードは推論時 1M トークン。入出力はテキスト・画像・動画・音声のマルチモーダルで、law / finance / health の専門家タスクとコーディング、Personal and Professional Agents を公式の強み領域として明記しています。
価格とアクセス
Meta Model API 経由の Wonder は入力 100 万トークン 4 ドル、出力 100 万トークン 20 ドルで、報道ベースでは GPT-6 Sol や Opus 5.5 と同水準。MCP 経由で社内ツールに繋ぐ場合、MemoryBench のスコア差が効き、“前回の会話を覚えていてほしい”タスクで従来モデルとの差が出やすい設計です。
なぜ今か
Meta は 2025 年 8 月に Alexandr Wang 氏を招いて AI 組織を再編したあと、Muse Spark と Muse agent を順にリリースしてきましたが、フロンティア級は外してきました。オハイオの Prometheus データセンターで学習させた今回の Wonder は、欧州 Mistral が Le Chonk で 1 兆級を出した流れと並ぶ、“もう一つの主権的フロンティア”が増える一手です。
日本からどう使うか
個人開発者・研究者なら dev.meta.ai で Organization を作り、OpenAI 互換の API キーでつなぐだけで Wonder にアクセスできます。日本語 UI は公式にありませんが、対訳プロンプトの前処理で実用になります。業務に組み込む際は 公式モデルカード の Limitations を読み、空間推論や少数言語での劣化を前提に人手レビューを置く運用が無難です。
関連記事:Mistral『Le Chonk』、欧州発1兆の切り札
まとめ
Meta の『Muse Wonder』は、“軽量で速い”層と“最上位 Wonder Full”層の二段構えで API とサブスク双方をカバー。Mistral 1 兆級と並んで、API の選択肢として“Meta の本命”が一つの基準点になります。


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