Inception Labs が 2026 年 10 月 19 日、拡散型 LLM の新フラッグシップ『Mercury 3』を公開しました。公式の速報値では NVIDIA GPU 上で約 1,068 トークン/秒を叩き出し、GPT-6 Luna や Claude Haiku 5.5 など速度重視モデルと同等以上の品質を、4〜8倍速く返すとうたいます。コンテキスト長は 1M トークンへ拡張され、ローンチ記念で 1M トークンあたり入力 $0.10・出力 $0.35 のプロモーション価格で提供されます。
なぜ『拡散』で生成するのか
私たちが普段触れている GPT や Claude、Gemini はすべて『自己回帰型』で、前のトークンから次の 1 トークンを順に予測します。Mercury が採用するのは画像生成 AI と同じ拡散方式で、文章をまとめて複数トークン同時に『描画』します。並列化が効くため理論上の速度上限が高く、音声エージェントやブラウザ操作エージェントなど、遅延がそのまま体験劣化に直結する用途と特に相性が良いとされます。
日本から商用で使うには
Mercury 3 は OpenAI 互換 REST API で提供され、OpenRouter、Vercel AI Gateway、Baseten、Azure AI Foundry からアクセスできます。Azure AI Foundry 経由なら日本リージョンからも従量課金で即日利用可能で、法人契約の枠組みがそのまま使えます。個人開発者は OpenRouter のコンソールから API キーを発行すれば、5 行程度のコードでストリーミングを試せます。日本語性能は公式ベンチマークに含まれていないため、まずは社内 PoC で要約・分類のレイテンシを GPT-4o・Claude Haiku 系と比較するのが現実的なファーストステップです。
何が変わりそうか
公式の早期アクセス事例では、ブラウザ操作エージェントが 50 件のライブタスクで GPT-6.1-Sol の 2 倍近く完走した例や、教育 tutor が生徒の質問に 1 秒以内でヒントを返せるようになった例が挙げられています。リアルタイム UI が当たり前になる次の 1 年、Mercury 3 のような dLLM は『遅延が許されない場面』の選択肢として急速に存在感を高めていくはずです。


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